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Posted by オウミ・イタドリ (544) - 2010.11.25,Thu
先の予期せぬ遭遇を皮切りに、ざわめき立つ感覚が治まらない。
当初よりはだいぶ落ち着きを取り戻したものの、鎮まるにはもう少しかかりそうだった。

違和感と不安感を足して二で割ったようなこの感じは、ギルドを襲った不測の事態に対する動揺だろう。
始めはそう考えていた。

けれども一晩二晩と時間を置いた今、これは心の問題云々よりも
僕自身の中に巡るマナが、あの二人―――
かつてのTriad Chain、「エニシダ」と「フォウト」の帯びた強いマナにあてられたからでは
…という結論に至りつつあった。

僕が今扱っているのは、自分や相手のマナに影響を及ぼす力だ。
誰かに影響を与えられるという事は…逆に自分も誰かに影響され得る、という事でもある。

そこまで考え至った所で、不意に恐ろしさが込み上げてきた。
あの時強いマナにあてられて、何かの間違いが起こっていれば
…僕は『向こう』に引き込まれていたかもしれない。

過ぎた事に嫌な仮定を持ち込むのはやめようと、思考を打ち切って自分の荷物を開く。
出した物は小鍋と、コーヒー粉に砂糖とシナモンをそれぞれ二人分。
後でアクエス君とネアリカさんに持って行く差し入れだ。
今最も気分転換が必要なのは他の誰でもない、当事者の彼らだと思うから。

父親との再会はどういう心地だろう。

二人分のコーヒーを用意し終えて
ネアリカさんとエニシダさんの関係に思い及び、僕自身の事を振り返る。

少なくとも僕の眼前に現れた「父さん」は「自分に顔立ちの似た、親しげな知人」という感覚でしかない。
もしも全て思い出した状態で再会できたなら、もっと驚いただろうか。
それとも、涙が滲むくらい感動しただろうか。

父さんが現れてからも、特別に何かを思い出す兆候は無い。
探索や戦闘の「勘」だけは、だいぶ取り戻したように思う。
これは実践(時には実戦)を経て「慣れた」事も大きいのだろう。

にも関わらず、「過去」に関しては一向に浮かんでこない。
以前の島で出会った人達に関しても、やっぱり覚えている事の方が稀だ。
そして父さんも、以前の事については一切話そうとしない。
最初の宣言通り、僕自身が思い出すまで本当に何を語るつもりも無いようだった。

―――思い出せないなら、もう思い出せないままでいいんじゃないか。

今はそう考えられるようにもなった。
以前の事が頭に蘇り始めた当初の不安感も、近頃はだいぶ薄らいでいる。

誰にでもよくある他愛の無い昔話が、不運にも島の暴走に巻き込まれ、永久に呑まれてしまった。
実はそれだけなのかもしれない。

僕はもう、今の僕自身と精一杯向き合っているだけで良いのかもしれない―――
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