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Posted by オウミ・イタドリ (544) - 2010.12.14,Tue
遺跡の奥へと、一条に伸びる赤い光を辿り歩く。

オウミがこの島で宿し帯びるようになったマナの『痕跡』だ。
物理的な足跡のように残した者の詳細を推し量る事は難しいが、悪天候で消えたりしないのは具合が良い。

程なく魔法陣へと踏み入った。赤く真っ直ぐ伸びた光はそこで途絶えている。
脱出したばかりだろう、光の筋に沿って続く足跡はいずれもまだ新しい。

無事に探索行を終えたらしいと確認できた所で、遺跡外を思い描く。
そして妙な浮揚感を覚えた次の瞬間、実際に遺跡の入口に立っている。
誰が作ったか知らないが便利な移動法だ。

近頃、『ズレ』が生じ難くなった。
視える『痕跡』も以前より鮮明だ。
頼りない光の筋を見つける為に、わざわざ日没を待った頃が信じ難い。
あの『手紙』が放つ光も強まってきた。
時期の一致を鑑みて、これらの事実はオウミ自身の帯びるマナが強まった影響と考えられる。

自らマナに関わり影響をもたらす代わりに、自身もまた影響を受け易くなったか。
不穏な術を吹き込んでくれたものだ、あの眼鏡女め。

厄介な力を手にした当の馬鹿息子だが、記憶の方は相変わらずらしい。
これだけ刺激的な日々だと少しは何か思い出しそうなものだが
仮にそれが実現したならば、先ず儂を見て動揺を隠せまい。

親心としては寂しさを禁じ得ないが
今は戻らぬ記憶を嘆くより、全てを思い出した時の事が気がかりだった。
何事もなければ最上だ。
しかし心に大きな隙が生じれば、マナが呼応して悪さを始める可能性は高い。

あの遺跡は存外に悪質な存在だ。
人々の好奇と欲望を刺激してやまない、宝と未知なる奇異の数々。
しかし一度足を踏み入れたが最後、内部に充満したマナの侵蝕が待っている。
個体差はあれど、遺跡に長居すればする程、マナを取り込む程、
あらゆる存在が『遺跡に棲む者』へと近づいてゆく。
この遺跡には食虫花という例えがふさわしいかもしれない。

オウミもつくづく難儀な場所に来たものだ。
もっとも、初めから斯様な場所と知っていれば近づく事も無かっただろうが…



「僕はここに残るよ




「ワカツは滅多に戻れないし、ミトも父さんと一緒に発つつもりだ。
 たぶん、口に出さないけどカイとイヨも …きっと父さん達の影響だね




「だから、僕が残れば丁度いい。
 外に出たって父さん達のようにはいかないだろうし…
 胸躍る冒険は皆に任せて、僕はここを守るよ




「…婆ちゃんのお墓も見てあげないと


凡庸で平穏な日々を望んだはずの息子は今、奇想天外で特異な現実を生きている。
我が子ながら皮肉な因果だと、つくづく思う。

だが、それゆえに面白い。

過去のしがらみから解放された今、オウミの槍術はかつてない伸び代を擁している。
荒削りながら果敢な今の槍を、はたして以前のアレに実現し得たか?

我ながら矛盾した親心と自覚している。
家族を忘れ、想い出を失い、危うい力を宿す息子を嘆きながら
胸の内に燻ぶる、相反した願いを禁じ得ない。


「お前はこのままで良い―――できるなら、思い出してくれるな」
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髭が無いのは子供時代だからです、多分。
装備が貧弱な時はLv上げ支援中なので
よーく可愛がってあげて下さい(・・・)
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